自重トレーニングVSウェイトトレーニング

いろんなウェブサイトを徘徊してよく見かける議論が「自重トレーニングVSウェイトトレーニング」。

キノコとタケノコの議論よりかはずっと意味のある議論のハズなんですけど、結構宗教論争が多いですよね。

自重トレーニングでは筋肉は鍛えられない(?)

ある意味あってるし、間違ってるとも言えると思うんですよね。

自重トレーニングと言ったときに普通に想像するのは腕立てだったりスクワットだと思います。僕も高校生の時に毎日腕立てを頑張っていて、100回近く到達したことがありました。回数をこなせば筋肉ってつくと思ってましたからね。今だと普通の腕立てを何回やろうが筋肉が付く事が無いと分かってますが、知識が無いとそういう事はわからないです。

なので、普通の人にとって自重トレーニングと言えば、一般的にイメージされる腕立てなどであり、それは負荷が弱いので、「自重トレーニングでは筋肉は鍛えられない」という主張になる訳ですね。

一方で昨今の自重トレーニングブームでやっていることは、腕立て一つとっても徐々に負荷が上がるようにプログラムされたもので、最終的には片手/片脚のトレーニングになります。なので十分負荷の高い筋力トレーニングです。

それに、自重トレーニングの神様と言われるフランク・メドラノさんや、Hannibal For Kingさんを見て、「それでも自重トレーニングは筋肉が鍛えられない」と言うのであれば、その人の目は本当に節穴なんだと思います。ウェイトトレーニングやってる人で、筋肉量だけでもこの人達を超えた人ってなかなか居ないですよね。

ウェイトトレーニングでは見せかけの筋肉しか付かない(?)

揶揄して"見せ筋"とか、かなり香ばしい表現なんですけど、これもあってるとも言えるし間違ってもいるからこういうこと言う人が出てくるんだと思うんですよね。

普通に考えて、ベンチプレスで100kg上がる人が力無いわけないでしょ。喧嘩したら勝てないと思います。

ただ、自重トレーニングをやっているとよく分かるんですけど、出せるパワーって身体のキネティックチェーン上の筋肉で一番弱いところで決まります。

例えば、バーにぶら下がってレッグレイズをやっていた時、腹筋よりも先に握力がへばってしまってたのです。そうすると前腕ばっかり疲れて、目的である腹筋には全く効かない。それでもずっと続けていると、だんだん握力が強くなってきて目的のレッグレイズがまともにトレーニングできるようになってきました。

これがウェイトトレーニングだと、デッドリフトとか良い例だと思うんですけど、背筋はどんどん筋肉が成長するのでウェイトはどんどん重くなってくると思うんですが、一方で握力はそれほど成長が早くないのでどうしてもついてこれなくなります。

握力の成長を待っていると背筋が鍛えられないので、握力は握力で別途鍛えることにして、デッドリフトをするときにはリストラップを使うようになる訳です。ただ、そんなことをしていると背筋に対して握力が足りなくなるので、見た目に比べてパワーが出ないという場面が出てくるかも知れません。

結局のところ目的次第

無難な話ですが、何が良いかは目的次第でしか無いですよね。

ひたすら身体を大きくしたいなら自重トレーニングではそこまでの負荷をかけるのは難しいと思います。僕はスクワットは片脚で15回くらいやってますが、バーベルスクワットだと60kg程度の負荷でしかなく、自重でこれ以上の負荷は出来ません。でも脚は大きい筋肉だしウェイトだともっともっと鍛えられますよね。

一方で、身体のコントロールはウェイトいくらやっても自重に勝てないです。ストリートワークアウトというキーワードで検索してヒットする動画に出てくるような人の運動性能たるや猿の如く。

結局、自重もウェイトもトレーニングなのであり、そこに線を引くから「あっち側」と「こっち側」が出来るわけで、垣根なくメニューを組むのでは何か都合が悪いんだろうか?と僕なんかは思ったりするのでした。