この間「篠笛」を買いました。
出身が徳島県で、昔は阿波踊りを毎年踊っていたのもあり、身近に篠笛がありました。
ですが、基本的に踊りをやっており、合間に鐘や締め太鼓、大太鼓は鳴らしていましたが、終ぞ篠笛は経験する事がなく心残りがあります。ふと思い出して買いに行ってきました。
音が鳴らない
篠笛は「呂音(りょおん)」と呼ばれる低いオクターブ、「甲音(かんおん)」と呼ばれる一つ高いオクターブ、「大甲音(だいかんおん)」と呼ばれる更に高いオクターブの途中までの計2オクターブ半鳴ることになってます。
ですが、とりあえず吹けば音がなるリコーダーとは違って、初心者では1音も鳴りません。
それでもネットや本で調べながら試行錯誤して「呂音」は1日2日で一通り何かしら鳴るようにはなったのですが、「甲音」は厳しいものがあります。かろうじて「1」と「2」の音が出るぐらいで、「3」、「4」、「5」は運が良ければ雑音と共に鳴る時があるくらい、「6」「7」はどうやっても鳴らない。
甲音の鳴らし方は調べても出てこない
一応、僕も本を買ったりネットで調べたりしたんですが、ビックリするぐらい甲音を出すコツが出てこないのです。
ほぼ、「息の速さを速くする」ぐらいしか出てきません。
なんなの?みんなそれで吹けるようになってるの?
「篠笛は全ての音を出せるようになるのが最初の難関です」みたいに口を揃えて言ってるのに、どういうことなの?
篠笛で音を鳴らすのが難しいのは、音を鳴らすための要素が沢山あるにも関わらず、どうすれば正解なのか全くイメージ出来ないからだと思います。
- 唇を置く位置をどうするか
- 吹く角度をどうするか
- 吹く息の強さをどうするか
- 口の形をどうするか
- 姿勢をどうするか
- 喉の使い方をどうするか
- etc
これら沢山の要素を試行錯誤して正解を探すのは本当に大変です。
ストローで音を鳴らすのがおすすめ
で、色々調べていたらストローを使って鳴るポイントを調べる方法がありました。
このページでは残念ながら答えに辿り着いて無いのですが、試しに自分でやってみたところ、面白いくらい甲音が鳴るようになったのでご紹介です。
ストローを加えて、反対の端を唄口につけます。やや指でストローを潰したり、位置を変えながら吹いてどこでどうすれば鳴るのか調べます。
これは篠笛を横からみた時のポンチ絵です。汚い絵ですが、青がストロー、黒が篠笛です。色々試していると、上のような感じの位置で吹いた時に「呂音」が鳴り、
こんな位置で吹いた時に「甲音」がなります。
なるほど、これをストローを使わずに再現出来れば音が鳴るハズだ、、、
と思って吹こうとして気づくのですが、人間の口には唇がある以上、上のような位置で息を吹くなんて出来ません。もっと斜め上から息を吹き下すようになります。
ストローでやってみると分かりますが、唄口から離して上から吹き付けても鳴るポイントが見つかりません。
どうしたものかと思ってると、下の動画で「唄口を半分下唇で塞ぎます」という発言がありました。
www.youtube.com
試しに唄口に指(黄色の丸)を置いて、その上から斜めにストローで吹くと、鳴るじゃ無いですか。呂音と甲音が。
下唇の位置って、てっきり息を吹きかける場所の為だと思ってたんですが、「塞ぐ」という事が音を出すために必要だったとは全く思いもよりませんでした。
甲音の鳴らし方
これでわかる事が本当に沢山あります。
本やインターネットで調べても、姿勢や息の向き、腹式呼吸やら色々と書かれていますが、そんなものは「とりあえず音を出す」為には必要ないです。
入門者が必要なのは0を1にすることであり、姿勢や腹式呼吸などは1を100に向けて練習する時に必要なものです。
口の形も色々難しい事が書いてあったりしますが、ネットで見かけた「スイカのタネを飛ばすイメージ」というのが秀逸です。
それらを踏まえて、入門者がとりあえず何か甲音を出す為に必要なポイントは、
- 唄口を半分下唇で塞ぐ
- 息はスイカのタネを飛ばすイメージ(でもプッとするのではなくフーっと)
- 呂音よりもやや強目
これくらいです。
音を出せるようになるまで全く信じられませんでしたが、息は弱くても大丈夫です。
ストローで音が出てしまえば、試行錯誤が本当に捗ります。
10日ずっと頑張って出なかった甲音が1日で出るようになりました。おすすめです。