読書:「僕が愛したすべての君へ」・「君を愛したひとりの僕へ」

僕が愛したすべての君へ (ハヤカワ文庫JA)
早川書房 (2016-06-30)
売り上げランキング: 12,156

君を愛したひとりの僕へ (ハヤカワ文庫JA)
早川書房 (2016-06-30)
売り上げランキング: 13,434

2年半前に発売された小説です。物語のレビューを書くほど無粋な事はないと思うので中身には触れません。

2冊で1つのとても面白い作品。パラレルワールドを題材にした「よくある系」ではあると思うのですが、世界観が細かく作り込まれていて物語に深みを感じます。どちらから読んでも楽しめるように作られているものの、個人的には「僕が愛したすべての君へ」→「君を愛したひとりの僕へ」の順がオススメ。

こういうパラレルワールドを扱った作品って、自分自身の人生で実際に色んな分岐点を体験している程、読んでいて刺さるものがあります。

今パッと思いつくような幾つかの分岐点。「あの時ああしておいて良かった」と思う程には後悔の無い人生を歩んでいると思っているけど、別の選択肢を選んでいても「そうしておいて良かった」と思っているかも知れないよね。

ニートになった自分。結婚して子供がいる自分。超お金持ちになった自分。すでに死んでしまった自分。

どれもあったかも知れないと思い耽ってみるのでした。